
尊敬する人は“自分以外の人間全員”。反面教師だとしても、人は自分にないものを必ず持っているし、得られるものがあると思うんです。年齢も、性別も、人種も越えて演じる声優だからこそ、すべてを吸収したいですね。
テレビアニメ『創聖のアクエリオン』のアポロ役でデビュー。以来、アニメやゲーム、ラジオなどで多彩に活躍の場を広げてきた寺島拓篤さん。アニメデビューから5年を迎えた2010年は、彼にとってどんな年だったのか。
「ずっと好きだといっていた作品にもいくつか出られて、とくに夢が叶った一年だったと思います。なかでも『SDガンダム三国伝 Brave Battle Warriors』は、プラモデルが出ていた時期から注目していて、アニメ化したらぜひ出たいと思っていた作品。好きなことって、いい続けていれば叶うんだということを体現することができました」
『三国伝』では、甘寧ケンプファー役として方言指導のもと土佐弁にも初挑戦した。
「ただ、方言を気にし過ぎるとお芝居が小さくなってしまうので。甘寧は豪快なキャラクターだから、本番では思い切りやらせていただきました。年を追うごとにいろんな役をやらせてもらえるようになってきましたね」
アニメのアテレコは、複数人の声優たちとのアンサンブル。毎回違う顔合わせの中で心がけていることは、“人の背中を見ること”だ。
「収録中はふつう台本に目がいきがちですが、僕はしゃべっている人の姿を見ていることもけっこう多くて。声優はお互い顔をつきあわせてお芝居をするわけではないですが、できるだけ相手を見ることで、お互いの心の動きを感じながら演技できるんです。また、先輩方の体を使った発声などを見ていると、役者として勉強にもなりますね」
小学生のころからアニメが好きで、高校時代には演劇部で活躍。卒業を控えて“一番面白いことはなんだろう?”と考えたとき、“消去法で声優になるしかなかった”と笑う寺島さん。東放学園/東京アナウンス学院時代は、いつも真剣に授業に取り組んだ。
「クラスで一番になろうとかそういうつもりはなかったですけどね。誰かと比べて高い位置にいくというより、前の自分より高まればいいなというイメージが強いんです」
『創聖のアクエリオン』のアポロ役との出会いは、本当に大きいものだったとデビュー当時を振り返る。そんな寺島さんに未来の声優デビューをめざす人たちへアドバイスをもらった。
「夢をあきらめないために、ほかのしんどいこともあきらめないでほしいですね。多少なりとも自分のやりたくないこと、苦手なことにも一度は足を突っ込んでみて、がんばってください」