いつか自分の脚本で映画を撮りたい。アイデアは日常にちらばっている。

東放学園を卒業して6年。これまで現場で感じてきたこと、得たことをふまえて、学生時代に撮った作品を撮り直してみたい。そう思えるのは、私の引き出しが増えたからかもしれませんね。

映画作りの最前線で 人と人とをつないでいく仕事。

映画の助監督といっても、その仕事にはそれぞれ役割分担がある。撮影現場全体のスケジュールをにない演出にも関わるチーフ、衣裳やメイクなど役者まわりを担当するセカンド、美術に関わるサードといったように。山本さんはこれまで、多くはサードとして、世代も国籍も違う監督たちと仕事をしてきた。

2010年公開予定の話題作『ノルウェイの森』では、独特の映像美で知られるベトナム人監督のトラン・アン・ユン氏につき、小道具など美術部との橋渡しを行った。
「美術で一番大変だったのは、料理。原作の小説にある日本料理を、外国人監督に説明するのは本当に難しい作業でした。色彩やディテールへのこだわりが人一倍ある監督なので、アートディレクターと相談しながら、あえて色味を変えることも」

たとえば作品に登場する“手紙”を美術部に発注する。それも助監督の役割だ。それは、どんな紙に書かれているのか、万年筆で書かれているのか鉛筆なのかなど、細部まで指示しなければならない。ある作品では文面を山本さん自身が考えたことも。
「現場で俳優さんに“この手紙、泣けるね。脚本家が書いたのかと思ったよ”っていってもらえたのは、すごくうれしかったですね」

すべてのスタッフが 映像をイメージしている。

また、セカンド助監督を担当した作品では、俳優まわりに関わるセカンドならではの気配りに気づいたという。
「サードは、現場で元気な声で仕事をすることが大事。でもセカンドの場合、俳優さんのメンタル面や場の空気を大切にしなければなりません。ときには、プレッシャーを与えないように声を抑えて仕事をすることもありましたね」

映画作りは、スタッフ一人ひとりが脚本から映像をイメージし、それぞれが監督に対して“自分はこうだと思う”とプレゼンテーションを行っていく作業。そんななかで、ひとつの世界を共有できるのが、映画作りの面白さだという。
「できあがった映像が自分の描いたイメージ通りになっても、想像を超えたものになっても、どちらもうれしい気持ちになりますね」

東放学園を卒業して6年。着実に助監督としてのステップを重ねている山本さんに、今後の目標を聞いてみた。
「いつか自分の脚本で映画を撮ってみたい。気になるアイデアは、日常のあらゆるところにちらばっています」

映画[ROOKIES ー卒業ー]

TBSの大人気テレビドラマの続編で、ドラマと同じく平川雄一朗監督がメガホンをとった作品。苦労したのは、山本さん自身あまり野球に詳しくなかったことだったとか。「自分なりに勉強してのぞんだつもりだったんですが、脚本のある部分で、野球のルールに矛盾する展開があったのに、野球経験のある後輩に指摘されるまで気づけなかった。“え! そうなの!?”って。経験に勝るものはないと悟りましたね」

DVD[ROOKIES ー卒業ー 通常版]
発売元:TBS/集英社 販売元:TCエンタテインメント
TCED-0635 3990円(税込)

映画[ノルウェイの森]

2010年12月全国ロードショー

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