
こうしてプロデビューを果たせたのは、東放学園に入って素晴らしい先生方や、同じ目標を持って高め合える“戦友”と出会い、成長できたおかげですね。
「『ウソツキガタリ--嘘月語--』は、私にとってはじめての連載マンガ。月1回のペースで仕上げていくのは大変ですが、1話描きあげたときの喜びもそのぶん大きいです。しんどいなと思っても、また描きたくなる。それがマンガ家という仕事の魅力です」
と語るのは『エイジコミック大賞』で入選に輝き、プロデビューを果たしたやまなあやかさん。デビューのキッカケは、オリジナル同人誌の即売会『COMITIA(コミティア)』。ここに出した作品『輝月の夜に』が『月刊ドラゴンエイジ』編集者の目に留まったのだ。
「同人誌の巻末にメールアドレスを入れておいたのですが、そこに編集の方からメールが届いたんです。“面白かったので、ぜひ一緒に仕事を”といっていただいて、びっくりしましたね。マンガ家をめざす人は、やはり作品を世に出すことが大事だと思います。白馬の王子様を待っていても、なかなか現れてはくれませんから(笑)」
チャンスを活かすと一言でいっても、デビューへのアプローチはさまざま。具体的にどんな方法があるのかやまなさんに聞いてみた。
「まず王道は“投稿”ですね。コミック誌の新人賞などに応募して編集の人に見い出してもらうんです。また、東京近辺の人なら“持ち込み”という方法もあります。直接編集部に作品を持ち込んで、意見を聞く。編集者は新たな才能を見つけるのも仕事ですから、ちゃんと時間を取ってくれますよ」
プロデビューが決まると、編集者とともに作品作りの知恵を絞る。やまなさんも連載を通じて、編集者から多くのことを学んだという。
「長期連載では、短編に比べてキャラの魅力が重要だとアドバイスを受けました。私は人の成長を描くのが好きなので、そうした部分を打ち出しつつ、『ドラゴンエイジ』ならではの女の子のかわいさを盛り込むのに苦心しましたね」
マンガは“楽しめてナンボのエンターテインメント”。その雑誌に合った楽しませかたができなければ、描き続けることは難しい。読者の思いと作者の思いをひとつにすることは、マンガ家にとって生涯のテーマかもしれない。
「マンガ家は、映画でいえば、脚本家、演出、カメラマンなど、いくつもの役をひとりでこなさなければなりません。“マンガは一番面白い総合芸術”。これは東放学園の先生のおっしゃった一言なんですが、最近になってやっとその意味がわかってきたような気がします」