ハウスミキサー、モニターミキサー、ステージマン。チームワークで音を届ける。
コンサートの主役である“音”をになう音響のプロ、それがPAだ。その仕事は、大きく3つに分けられる。
ステージ上をケアするステージマン、ステージ上でアーティストに向けられたスピーカーを使ってバンドのメンバーに音を聴かせるモニターミキサー、そして観客に音を届けるハウスミキサーだ。赤松裕子さんは、2006年に東放学園を卒業後、今のPA会社に入社。まずはステージマンとして、有名アーティストのライブに関わった。
「会場に入ると、ステージマンは機材の搬入、スピーカーのセッティングやマイクの結線などの仕込みを行い、毎回同じ環境を作りあげます。先輩に負担をかけないように素早く作業し、なにかサポートできることはないか常に考えることが大事ですね。リハーサル中は、アーティストのケアを含めて、音作りがスムーズに進むように動きます」
入社後すぐに吉田拓郎のツアーに参加。コブクロ、オレンジレンジなどでもステージマンを務めた。
「拓郎さんは大御所ですから、本番前に楽屋まで行って、イヤーモニター(演奏を聴くイヤフォン)を本人につけるときはとくに緊張しました(笑)。逆にオレンジレンジは同世代なので、なるべく話の輪に入るようにしたりと、それぞれ気を配るところが違いますね」
観客ではなく、ステージの中へいい音を届ける“モニター”。
PAスタッフのうち、複雑なミキシングを行うモニターミキサーとハウスミキサーは、とりわけ経験が必要な分野。アーティストが演奏しやすいよう、ステージ内の音を整えるモニターは、技術とともにアーティストからの信頼感も不可欠だ。赤松さんは、これまでの努力が認められ、コブクロの10周年記念ライブで初めてモニターミキサーとしてステージ袖に立つチャンスに恵まれた。
「コブクロのおふたりには先輩がモニターとしてつき、私はバックバンドのモニターを担当するという体制でした。本番は集中しすぎてアッという間でしたね(笑)。その後、ムラマサ☆のライブでは、初めて単独でモニターを担当させてもらいました。楽しかった半面、音を出すということは、こんなに大変なんだとあらためて感じました。それまでは先輩の作った音を聞いて、それが普通だと思っていたので」
様々なライブを通じて、PAという仕事の奥深さを実感しはじめた赤松さん。これからも人を感動させる音作りに向き合っていく。
「PAは体力的には大変ですが、女の子にしかできないこともきっとあるはず。私自身、きめ細かさをもっと磨いていきたいと思っています」

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