
高校で放送部だったこともあり、音の機材に関われる仕事をしたくて東放学園へ。授業でいろんな楽器の音をひとつにまとめるレコーディングの面白さに目覚め、これを仕事にしたい!と思うようになりました。
コンサートの音を生み出すPAミキサーに対し、CDなどの音源を録音するのがレコーディングエンジニア。辻中聡佑さんは現在、東京の有名レコーディングスタジオでアシスタントとして活躍している。エンジニアになるためには、“スタジオに就職する”のが第一歩。辻中さんの就活はどのようなものだったのだろう。
「東放学園2年生のとき、企業説明会でスタジオの方にお会いして、後日見学させてもらってからここに応募することにしました。ほかのスタジオと違って、音楽レコーディングだけでなく、ラジオドラマからナレーションまで幅広く手がけており、制作部もあるので、多様な仕事ができて面白そうだと思ったんです」
アシスタントの大きな役割は、外部からもやってくるメインのレコーディングエンジニアが作業しやすい環境を整えること。その日の録音内容や楽曲を把握し、マイクなどのセッティングを行っていく。そのスタジオの装備やサウンドの個性を知り抜いていないと、務まらない仕事だ。
「はじめてスタジオに来るエンジニアに“うちのスタジオでは、こうするといい音で録れます”とアドバイスすることも僕らの仕事です」
ミュージシャンがスタジオに入ると、パソコンのモニターに向かい、録音の操作をまかされる。“じゃあ、録ります”と一声をかけて、録音スタート。ワンフレーズだけ録り直す場合もあり、集中力を要する作業だ。
「レコーディングの“流れ”を乱さないように、テンポよく作業を進めていくことが大事。録音しながらも、次に何をやるかを考えています。限られた時間の中で、できるだけいろんな音楽的アイデアを試してもらいたいですから」
辻中さんは、『イナズマイレブン』に代表されるアニメの主題歌や声優の歌のほか、映画の劇伴音楽など多種多様な作品に携わっている。そんななかでこの仕事の醍醐味とはなんだろう。
「音楽ができあがる瞬間に立ち合えることですね。ドラム、ベース、歌とひとつずつ音を重ね、最後にひとつにミックスされると“こんなにカッコよくなったんだ”って感動します。それと同時に“録ったのは自分だ”という喜びも大きいですね。レコーディングの現場では、全員が神経を研ぎ澄まし、高い意識を持って作品作りにのぞんでいます。この世界をめざすなら、それに負けないような意気込みを持って入ってきてください」