ネタが浮かぶとすぐにメモ。20秒に一回は笑わせるために。
テレビディレクター・奥村美津子さんの代表作といえばやはり『さんまのSUPERからくりTV』。東放学園卒業後から現在まで携わってきた“自分とは切っても切れない”大切な番組だ。その大きな役割のひとつがロケのディレクター。奥村さんは、“ご長寿早押しクイズ” “からくりビデオレター”をはじめとした人気コーナーを毎週のように地方へ赴いてVTRに収めてきた。
「昔は“20秒に一回は笑わせる”という暗黙のルールみたいなものがあって(笑)、ロケの前の晩はプレッシャーで眠れないこともありましたよ。ネタが思い浮かぶとすぐにメモしたり、どこでどう笑わせようかずっと考えたり。ロケ現場では、ほかに指示をしてくれる人はいないので、私が仕切らないといけません。想定通りにいかない現場で、いかに面白いアイデアを出せるかが勝負ですね」
からくりのディレクター陣の思いはただひとつ。“さんまさんを笑わせたい”。それがスタジオでのリアクション、ひいては視聴者にとって、楽しい番組作りにつながっていくのだという。 「さんまさんは司会ですから、事前に問題のVTRを見るわけです。そこで笑ってくださるかどうかは、けっこう賭けで…。笑ってくれれば私も一日テンションが高いし、ダメだったら…本当にヘコみますね」
からくりのスタッフには東放学園OBが多数参加。
ディレクターが十数人体制でロケなどをこなす一方、各回のスタジオ収録は、総合演出の指示のもと、4人のディレクターが順番でサポートするカタチ。現在は、奥村さんもそのひとりとして、各ロケディレクターがあげてきたVTRを総合演出とともにチェックし、スタジオ収録にものぞんでいる。
本番を迎えれば、裏スイッチングという作業も行う。『からくりTV』は、数台のカメラを切りかえ、スイッチングしながら録画していく。裏スイッチングとは、これとは別に、キープしておきたい映像をチョイスし、VTRに録画していくこと。これにより本線に収録されなかったタレントのリアクションなども編集で切りかえることができるのだ。
「4人のディレクターが交代でこの作業をします。そのうち2人は東放学園OBですし、『からくりTV』は東放学園OBのスタッフが多いですよ。“あ、東放なの?”って親近感がわきますね」
駆け出しのころは、エンドロールに自分の名前が出るのを目標に頑張ったという奥村さん。これまでも、これからも『からくりTV』が続く限り、スタジオとお茶の間に笑いを提供し続ける。

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