照明のリーダーとして番組全体を見渡していく。
『うたばん』『アッコにおまかせ!』など人気番組のLD(ライティングデザイナー)を担当している原昇さん。LDは現場で照明スタッフのチーフとなる存在だ。ライティングのプランを立て、“仕込み図”と呼ばれる図面を作成する、文字通り光のデザイナーである。
「LDは、照明スタッフの代表。ほかの技術・美術スタッフ、ディレクターらと話し合っていく存在です。ときには自分の提案した灯が、ディレクターのイメージと違い、修正することもあります。でも、それはいい番組を作るために必要なこと。ディレクターをはじめ、各スタッフのいいところを寄せ合ったときに、いい番組が生まれるんです。灯のディテールだけにこだわるのでなく、作品に全体を見てアプローチしていくのが照明の仕事なんですよ」
ジャンルによってもライティングはもちろん違う。たとえば『アッコに…』のようなバラエティでは、照明は“目立ってはいけない”のだという。
「大事なのは、セットがあり、動きまわる演者がいて、それがちゃんと見えること。“照明さん、頑張ったね”ではなく“照明さん、いたの?”っていわれるくらいがベストだと思うんですよ」
オンエアの時間帯も考えて出演者が輝く灯をデザイン。
照明スタッフの腕の見せどころとなるのは、やはり歌番組やドラマかもしれない。『うたばん』では毎回違う楽曲、趣向を凝らしたセットにどう照明で応えていくかに知恵をしぼるという。
「ディレクターと美術デザイナーが仕上げてきたセットをもとに、技術スタッフと話し合い、仕込み図やキューシート(音楽に合わせて、灯を変えるタイミングなどを決めた表)を作っていきます。アーティストをいかにかっこよく、あるいはキレイに見せられるか。また、ゴールデンタイムですので、視聴者の目に留まるよう、明るいトーンでまとめるように心がけています」
照明スタッフは、大きく分けるとLDとスタジオで作業するフロアスタッフしかない。チームのまとめ役であり、チームとほかのチームとの橋渡しでもあるLDは、リーダーシップも求められる仕事だ。
「僕は一生懸命やった人の失敗には、文句はいわないし、ほかの技術スタッフにも文句をいわせません。ミスは本人が一番わかっていますからね。照明はチームワークがあって初めて成り立つ仕事。 “みんなでやっている”感覚を大事にしながら、番組のためにひとつの方向に向かわないとダメなんです。オンエアでいいものが出せたときが、一番やりがいを感じる瞬間ですね」

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