各分野のエキスパートによる分業制で、ハイクオリティかつスピーディに作品を生み出していくアニメ制作の世界。テレビアニメを例に、アナログとデジタルをうまく融合させた制作工程をのぞいてみよう!
CHARACTER登場人物紹介
企画
現在のアニメは、制作会社や放送局、出版社、スポンサーなどが集まった“製作委員会”によって企画がまとめられることが多い。会議が重ねられ、コンセプトやシリーズの構成、スタッフの人選や主要キャストなど、作品の枠組みが決められていく。
シナリオ
全体の流れを考えたシリーズ構成に従って、シナリオライターが各話の脚本を執筆。アニメ監督らがチェックを行い修正を加えていく。原作のあるアニメでは、再構成したり、オリジナルのストーリーをつくることもある。
設定・デザイン
キャラクターやメカのデザインをしたり、美術監督が“イメージボード”と呼ばれる絵で美術プランを検討。さらに色彩設計のスタッフが作品全体の色のテイストを決める。ここで生まれる世界観が作品のたたき台となる。
絵コンテ
絵コンテとは、アニメ監督・演出が脚本のイメージをビジュアル化したもの。カット割りやカメラワークなど、作品の演出面を決定する重要な作業だ。これをもとに各部署ごとに素材の制作が進行する。
レイアウト
絵コンテで決まった映像の流れをより具体的に詰めていく段階。一つひとつの場面に対し、カメラアングルや映るものの配置などを決める。レイアウトはその後の作画スタッフにとって、映像の設計図となる。
原画
いよいよアニメを“描く”作画作業を開始。動きのポイントとなる各カットの原画を描き、タイムシートにタイミングを記入していく。作画監督が各スタッフが描いた絵のテイストを統一したり、動きを修正していく。
動画
原画をもとに、動きを中割りし、トレースする。その後、確認・ 修正を行って仕上にまわされる。従来の作画用紙に鉛筆で描くアナログ作画のほか、液晶タブレットを使ったデジタル作画が急速に普及している。
仕上
場面ごとに異なるセルの色が色指定によって指示され、それをもとにスキャンした画像に彩色(ペイント)をする。ペイントソフトによるパソコン上の作業となっている。
美術
レイアウトから起こされる“背景原図”をもとに背景画を作成。筆とポスターカラーなどによる手描きと、コンピュータ上のデジタル作業が混在しているパート。最近は3DCGによって背景がつくられることも多い。
3DCG
3DCGソフトを使用しモデリング(カタチを決める)、マテリアル(質感を決める)、マッピング(さまざまな効果や画像を貼りつける)などを行い、制作工程で必要なキャラクターや小物や背景などをCGで制作する。最近では、まるで手描きのアニメ絵のように見える3DCGアニメ作品もある。
撮影・特殊効果
セルや背景など、それぞれの素材をひとつに合成して映像化。さらにCGを使って画面にさまざまな特殊効果が加えられる。
編集
バラバラにあがってくる場面を順番につなぎ、カットとカットの間の不要な部分を整理して、1本の映像にまとめる。カットの長さはコンテの段階ですでに決まっているので、実写ほど大胆な編集は少なく、微調整が基本。
アフレコ
各キャラクターを担当する声優が映像に合わせて、セリフを吹き込む。スケジュールの厳しい現状では、彩色前の借組みした映像を使うこともしばしば。同時進行で音楽や効果音も制作されている。
ダビング
アフレコした声や、BGM、効果音などを映像に合わせてはめ込んでいく。できあがった映像が、テレビでオンエアされる。
アニメーター/キャラクターデザイン/アニメ監督/仕上/撮影/CGアニメーター/CGクリエイター など
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