東放学園で学べたことは何ですか?
『SUMMER SONIC』や『VIVA LA ROCK』など、実際のフェス現場でバックステージのお手伝いをしたり、実践に近い経験を積めたことですね。大学に通っていたこともあるので余計にわかるんですが、音楽業界のより専門的なことを学生時代に学べるのはとても貴重なんです。授業でいえば、「ジャズポップス史」が思い出深いですね。さまざまな音楽ジャンルを聴いて学べる授業なんですが、今ではグッズ制作に携わっているTOTOやボブ・ディランなどのアーティストはこの授業をキッカケに好きになりました。
この仕事の難しさや、やりがいを感じる瞬間は?
学生時代からフェスやライブが好きでグッズもよく買っていたんですが、買う側からつくる側になってからは、どういうものが売れるのかという視点に変わりました。ファン層が自分よりずっと上の世代であることも多いので、手探りな部分もあります。でも、企画・制作から販売まで自分たちの手で行うので、お客さんの反応もダイレクトに見られますし、がんばってつくったものが売れていく様子を見ると本当につくってよかったなって思いますね。実際にお客さんがTシャツを着ているのを目にした瞬間もうれしいです。
海外アーティストからの指示や注文はあるんですか?
「日本で売れるものを一番わかってるのは君たちだから」って基本的には任せてくれるので、出したものに対するダメ出しって実はほとんどないんです。学生時代は雲の上の存在だったアーティストたちと、こうやって間接的にでも仕事で関われるのは感慨深いですね。
とくにお気に入りのグッズはありますか?
ボブ・ディランのTシャツは自分でデザインを出したものなので思い入れがあります。一からオリジナルで型をつくったナイト・レンジャーのウエストバッグも好評でした。
KISSが最後の来日となる公演のためにつくったグッズもたくさんあるんですが、ロゴTシャツは不動の人気で印象深いですね。
今後、つくってみたいグッズはありますか?
一番つくってみたいのはガチャガチャ。フィギュアとか出てきたら楽しいですよね。入浴剤やお菓子もグッズ化してみたいです。
遠藤さんが担当するライブハウス運営は、どんな仕事なのですか?
ひと言でいうと“ライブハウスの取扱説明書”のような仕事です。日々の業務では、ライブハウスの借り手(コンサート運営スタッフなど)を迎え入れる窓口となって、申請書類を受け付けたり、消防署への届け出について案内したりと、ホールを使用するうえでのさまざまな相談や疑問に答えるのが役割です。このほか、館内のメンテナンスのチェックやドリンクスタッフのシフト調整、最近ではライブ配信のルールをチェックする仕事など、基本的にライブが始まる前までの業務がたくさんあります。
学生時代に、学んでいて一番よかったことは?
プロモーターやレコード会社など、さまざまな分野から講師がいらして授業をしてくれたのですが、この学校に入学していなければ会えないような方々の話を聞けたことはよかったですね。そのなかで、どの方も楽しそうに仕事をしていることがわかったんです。仕事って、真面目にやることも必要だけど、“楽しみながらやること”はもっと大事なんだなと思いましたね。
この仕事の醍醐味は何でしょう。
ライブハウスは“毎日違う景色が見られる場所”。1回のライブに100人以上のスタッフが携わるので、新しい出会いもたくさんあり、まったく飽きない。それが一番の魅力ですね。聞いたことのないジャンルや知らなかったアーティストの音楽を知ることもできて、いつも刺激をもらっています。逆に、大変なことや辛いことは、ないです(笑)。
この世界をめざす人にメッセージをお願いします。
現場に足を運ぶことはめちゃくちゃ大事です! まずはお客さんとしてできるだけライブハウスに行ってみてください。いろんなライブハウスを知っているからこそ、「うちはこうしよう!」などアイデアがわいてきますし、やりたいことも明確になってくると思います。
(2022年11月取材)
東放学園音響専門学校の
学科一覧
0120-343-261(日本国内から)
+81-3-3378-7531(海外から)