大人気作品『【推しの子】』では、高校生YouTuberのMEMちょ役を担当されていますね。
MEMちょは、弾けるときは弾けて、真面目なときはしっかり真面目な、いろんな一面を持つキャラクター。裏表や秘密を持っているような役はこれまでにもけっこう演じてきましたが、「このシーンではこういう風に考えるんじゃないか」と原作を読みながら研究をして、役に落とし込んでいきます。MEMちょは実際にYouTube『MEMちょの部屋』での配信もしているので、視聴数やコメントからも『【推しの子】』の反響の大きさを感じますね。
声優をめざしたキッカケは?
高校時代、進路相談のときに大学進学について伝えたところ、学校の先生から「好きなものはないの?」と聞かれて。「アニメが好きです」と答えたら「それに関係する仕事に就いたらいいんじゃないか」と言われて、ああ、そういう考え方もあるのかと気づかされました。そこからいろんな学校を調べて、体験入学が一番楽しかった“アナ学”に入学を決めました。
“アナ学”ではどんな学生生活を送っていましたか?
お芝居は全くの初心者でしたが、授業が本当に楽しくて。演劇部にも入っていたので、朝9時から夜9時くらいまで、毎日のように学校にいましたね。学校は、吸収しようとしなければ、ただ通うだけの場所。自分が何を選ぶか、何を吸収しようと思うかで、その後の人生が決まってくると思います。やる気があれば、たくさん吸収できる環境が“アナ学”にはあるので、声優になりたい気持ちを忘れずに、がんばり続けてもらいたいですね。
在学中に81オーディションで優秀賞を受賞されて、周りの方の反応はいかがでしたか?
学校でもすごい反応がありました。ちょうど落ち込むようなことが重なって自信をなくしていた時期で、このオーディションがダメだったら声優をあきらめようかと思っていたのでうれしかったですね。結果を受けて、「才能があるから大丈夫」と励まし続けてくれた先生たちも、一緒に喜んでくれました。授業でオーディション対策について学べたことも、すごく役に立ったと思います。声優の仕事は、大変なこと、苦しいこともたくさんあるけど、好きではじめた仕事なので“楽しい”という気持ちが強いです。私もできるところまで走っていきたいし、「この役を大久保さんに任せて良かったな」と思ってもらえる声優であり続けたいと思います。
保住さんがこの世界をめざしたのは、仮面ライダーが原点だそうですね。
そうなんです。僕、小さなころから“仮面ライダー”になりたくて。その出発点として、声優・俳優の両方ができたらいいなと思ったんです。お芝居を勉強するにあたり、より難しそうに思えた、声だけで表現する声優の演技から先に学ぼうと専門学校東京アナウンス学院の声優科に入学しました。
“アナ学”時代に力を入れていたことは?
色川京子先生のゼミが大好きで、毎週楽しみにしていました。先生にダメ出しされたことは、ほんのひと言であっても、次は絶対に言われないように練習していましたね。声の技術だけではない、見た目も含めたセルフプロモーションの大切さも教えていただきました。
アニメ『モブから始まる探索英雄譚』の主人公・海斗役はどんな思いで演じていますか。
監督さんとも相談しながら、もともとイメージしていた海斗像をさらにデフォルメして、感情の幅を広げてみようと思いました。真面目すぎでおバカな一面を見せながらも、自分の夢に対する芯のある、キリっとした海斗も随所に入れています。
『ブラックチャンネル』では個性的な悪魔のブラック役を演じていますね。
僕は、キャラクターのビジュアルから想像をふくらませて役作りすることも多いんです。ブラックだったら、横に開いた大きな口。あの見た目ならどんな口調が合うか考えて、収録のときは僕も同じようにずっと口角を上げながら演じています。ちなみにあの作品では、ブラックだけでなく、ほかの男性キャラクターも全部僕が演じているんですよ。
声優としてのターニングポイントは?
2017年にKiramuneに加入して、ユニットのSparQlewとしてデビューできたのはやはり大きかったですね。一般の人にも、業界の人にも僕という存在を知ってもらえるキッカケになりました。そのつながりで声優の仕事も少しずつ広がっていったので。SparQlewの活動では、アーティストとして恥ずかしくないように、パフォーマンスのクオリティをアップさせるための努力を続けています。
声優や声優アーティストをめざす方へメッセージをお願いします。
僕自身、人に見られる仕事だから、自分に自信を持てるように日々意識しています。常に自分を信じていたからこれまで続けてこられたし、あきらめずにがんばれるかは自分次第です。そのうえで自分がどうなりたいか、成し遂げたいことはなにかを見極めることが大事。自分の未来像をとことん突き詰めてください!
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