2024年は映画『ラストマイル』が大ヒット。反響も大きかったのでは?
興行収入は59億円を超え、私たちが想像していた以上に、多くの方が映画館で観てくれたんだなと。ドラマ『アンナチュラル 』『MIU404』(ともにTBS系)と同じ世界線で描いている作品なので、二作品のキャストのみなさんにも参戦していただき、シリーズの集大成ともいえる作品をつくりあげることができました。思えば長い道のりだったなと感慨深いです。
プロデューサーとしてはどのようなお仕事を?
キャスティング、スタッフの編成、予算管理、撮影・仕上げの現場立ち会いなど、企画の段階から完成まで作品づくりの全てに関わっています。『ラストマイル』では、『アンナチュラル』と『MIU404』のメインキャストのみなさんに出ていただきたいという一心で、スケジュール調整に尽力しました。石原さとみさんや綾野剛さん、星野源さんなどお忙しい方ばかりなので、実現できたのは奇跡に近いですね(笑)。
企画はどのように生まれてくるのでしょうか?
作品によって異なりますが、“自分たちがやりたいこと”を話している中で、企画が出てくることが多いですね。長崎県の端島(軍艦島)を舞台にしたドラマ『海に眠るダイヤモンド』では、脚本家の野木亜希子さんと現地を訪問した際に元島民のガイドさんから話を聞いて、「これをドラマにしたらすごそうだな」と思っていました。数年後、野木さんから「端島をドラマにしてみませんか」と提案を受けたのをキッカケに企画が動き出しました。
『海に眠るダイヤモンド』で意識していたことは?
日曜劇場という枠なので、大人から子どもまで家族みんなが楽しめるようにということは常に意識していました。舞台となる軍艦島は海外の方にも人気のある世界遺産ですし、日本と海外の両方に響く物語を描きたいと思っていました。作品のテーマは、古き良き日本と現代との対比、そして70年の時を超えてつながる愛。“愛”は万国共通ですからね。
東放学園ではどんな学生でしたか?
とにかくドラマが好きで、学生時代はむさぼるように見ていました。『池袋ウエストゲートパーク』などドラマの現場でアルバイトを経験したり、グループで取り組んだ番組制作の課題で先生から「ここまでつくり込まれたグループはこれまでなかった!」と褒めてもらえたことは印象に残っています。
ドラマ制作に興味がある人へメッセージを!
多くの映像作品を見ることは大事だと思います。そうして芽生えた“自分がやりたいこと”を自信を持って口に出してほしい。この仕事の醍醐味は作品に対して反響が得られるところ。自分のやりたいことで人の心を動かすことができる素敵な仕事なので、ぜひ自分の中にある想いを表現してください!
現在のお仕事内容について教えてください。
ディレクターとして『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)や『ニノさん』(日本テレビ系)などのバラエティ番組を担当しています。『ぐるナイ』では、担当回の企画を考えたり、番組で使うスペシャル食材を探す企画のロケで、自らカメラを持って撮影・編集まで手がけたりしています。また、「ゴチになります!」のバトル会場で、フロアディレクターとしてカンペを出しながら、ナインティナインのおふたりやゲストのみなさんを取りまとめるのも私の仕事です。ディレクターの仕事は本当に幅広いんですよ。
ズラリと並んだ出演者のみなさんを仕切るのは大変では?
出演者が多くて、ゴチバトルの最中もすぐに雑談がはじまってしまうので(笑)。舵取りする立場としては、事前にみなさんとしっかりコミュニケーションをとって、自分の指示に注目してもらえる環境をつくっておくことが大事です。私の裁量で番組のテンポが決まるので、いつ声をかけて、どこでトークを区切り、再開するかなどを判断するのは難しいですね。
倉本さんの演出へのこだわりは?
“リアル感を大切にすること”かなと思います。たとえば以前担当していた旅番組『ヤギと大悟』(テレビ東京系)では、千鳥の大悟さんが連れているヤギがまったく予測不能な動きをするんです。「え、そこで止まる!?そこでフンする!?」みたいな(笑)。そうしたハプニングもそのまま映像にして、視聴者に現場の楽しさや驚きを感じてもらえたらと思っています。
映像制作を学ぶにあたって、東放学園を選んだのはなぜですか?
大学受験も考えていましたが、テレビの世界で働きたいと思っていた私にとって、スタジオでバラエティ番組やドラマを制作する実習がたくさんある東放学園はとても魅力的でした。実際、スタジオでの対応から編集技術まで東放学園で学んでいたおかげで、入社後はほかの人よりも一歩リードしてスタートできたと思います。
ディレクターをめざす人にメッセージを!
私自身、子どものころは『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)をよく見ていたので、ナインティナインさんと一緒に仕事ができるなんてまさに夢のよう。今では普通に話しかけられたり、一緒にご飯を食べたり、泥にはまったところをヤベチャンマン(ナインティナイン・矢部浩之)に助けられたり(笑)。日常ではありえないことを体験できる楽しい仕事だから、ぜひ挑戦してほしいですね。
デビュー当時から担当されている仁村紗和さんがブレイクしていますね。
2023年4月からの『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)と、7月スタートの『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)に続けて出演しましたが、オンエア中のSNSのコメントやアクションの反応がそれまでと全く違いました。自分が担当したタレントで初めてX(旧Twitter)のトレンド入りしたのは本当にうれしかった。それほど手応えを感じました。仁村は高校生の時にスカウトマンが竹下通りでスカウト。事務所で面接をしたときに、独特な魅力を感じて“一緒にやっていこう”と思いました。そこからゴールデンタイムの連続ドラマに主要キャストとして出演するまでにおよそ10年。彼女自身も“月9”のトレンディドラマを見て育ってきたので、出演が決定したときは本当に喜んでいましたね。2020年の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK)の出演が転機になって、やっと階段を上がるスピードが上がってきている感じです。
マネージャーは“タレントを育てる”という大変な仕事なんですね。
芸能界は、“マネージャーがタレントをプロデュースしていく”というのが主流だと思いますが、自分はあくまで“本人と二人三脚で進んでいく”ことを重視しています。マネージャーがすべてを決めるのではなく、依頼された仕事を一度客観的に見て、タレント本人とも納得がいくまで話し合います。そうすることで仕事に全力投球してもらい、自分の新しい一面を見つけてほしいんです。仁村も『わたしのお嫁くん』でユニークなキャラクターを演じて注目されたことが、『真夏のシンデレラ』の出演につながりました。マネージャーとしては、取りに行った仕事で出演が決まって、撮影して、本人が素晴らしい演技をしてくれて、それがオンエアされて、SNSの反響を見るところまでが一連の楽しみ。僕たちはタレントのために動いているので、やはり仕事が決まるたびに嬉しい気持ちになりますね。
マネージャーの仕事に興味を持ったキッカケは?
在学中にバラエティ番組の収録のアルバイトに行ったときに、テキパキ仕事をしているマネージャーを見て、“カッコいいな”と思い、マネージャー業に興味を持ちました。当時は、芸能事務所の知識はあまりありませんでしたが、サンミュージックには自分が好きな安達祐実さんが所属していたり、芸人の方も多く所属されていて、それが決め手になり、就職しました。
テレビ業界や芸能界にあこがれを持つ人にメッセージをお願いします。
以前、東放学園にゲスト講師で招かれた際に授業で話したことがありますが、ミーハーな心はとても大切です。“あのタレントと仕事をしてみたい”“あの番組に関わりたい”という気持ちがあると、知識量が増えるし、仕事にも夢中になれます。そういった気持ちを原動力にして、業界をめざしてほしいですね。
森さんの夢を教えてください。
今、50人ほどの俳優が所属する俳優部のチーフを任されています。これからも実力がある俳優を続々と世に送り出して、“サンミュージックといえば俳優だよね”と世間から認めてもらえるように頑張っていきたいですね。
東放学園専門学校の学科一覧
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