テレビドラマのカメラマンをめざしたキッカケは何ですか?
入学当初はバラエティ番組のカメラマンになりたかったんですが、「ドラマ制作」の授業が刺激的で。講師の田中文夫先生から1枚1枚画を丁寧につくっていく奥深さを学びました。たとえば泣き芝居があるときは、その空気感を演者以外も全員でつくるし、想像以上にチーム感があって。そういう一体感がいいなと思ったんですよね。
現在の仕事内容を具体的に教えてください。
おもにカメラ周りのアシスタントやフォーカスを担当しています。最近はテレビドラマでも配信系でもシネマカメラやシネマレンズを使用するなど、カメラ機材が映画寄りになってきていてボケ感が強く、ピント合わせが難しくなってきて日々奮闘してます。
カメラアシスタントの仕事で心がけていることは何ですか?
撮影がスムーズに進むように考えて行動することです。カメラの導線やアングルを予測してセッティングするのはもちろん、最近は有線ではなくワイヤレスで映像を飛ばすことが多いので、万が一映像が飛ばなかった場合も撮影の流れが止まらないよう、第2・第3の手立てを考えておきます。そういった動きが撮影時間を短縮することにつながると思います。
どんなときにやりがいを感じますか?
ドラマのエンドロールに名前が出た瞬間はうれしいですね。Huluオリジナルストーリー『新・信長公記 外伝』を撮らせていただく機会があって。チーフカメラマンをやらせていただいたんですが、思いどおりの画がキマったときは達成感がありましたね。とくに引きの画は個人のセンスが問われるので、自分なりのアングルにもこだわりました。
この仕事をめざす方にアドバイスをお願いします。
学生時代の経験が思わぬところで役に立ったりするので、今のうちにいろいろな場所へ行ったり、たくさん遊んでおくといいと思います!
宮原さんが現在手がけているお仕事は?
音楽番組の『CDTV ライブ! ライブ! 』や『音楽の日2024』、バラエティ番組『マツコの知らない世界』『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)などの撮影を担当しています。『CDTV・・・』では、楽曲の歌詞とカメラの割り振りが書いてある台本を見て、自分の担当するカットの撮影イメージを膨らませていきます。そのうえで、ほかのカメラマンとの綿密な打ち合わせやリハーサルなどを通じてカメラワークを決定し、本番に臨みます。
「カメラマンをやっててよかった!」と思えた瞬間は?
BE:FIRSTが大好きなので、『Masterplan』という楽曲ではじめて彼らのカメラを担当できたときはうれしかったですね。自分が撮った推しの映像がテレビで流れているのを見たときは、とても感動しました。そのときの映像は彼らの公式YouTubeにも限定公開され、私の撮影したカットがサムネイルに使われたんです。自分の好きなアーティストを撮影できることは、カメラマンの仕事の醍醐味のひとつだと思います。
逆に難しいと思うことは?
大人数のグループの撮影は、メンバーの顔と名前を覚えるのが大変です。事前資料としてグループ全体の動きを撮影した“振り付けVTR”が渡されるので、それを観て自分が撮影するメンバーの動きを覚えています。撮影時に注意しているのは、フォーカスをしっかりあわせること。基本的なスキルですが、激しいパフォーマンスをするアーティストにピントを合わせるのは、結構難しいんですよ。
スタジオではほかにも東放学園の卒業生も数多く活躍しているとか?
そうですね。現場は東放だらけです。『CDTV・・・』では、テクニカルディレクターもチーフカメラマンも卒業生。テレビ局で「君も東放なんだ?」って声をかけられると、勝手に仲間意識が芽生えますね。
女性でカメラマンをやっている人は多いのですか?
増えていると思います。番組によってはカメラマンの半数が女性の場合もありますよ。重い機材もありますが、きゃしゃでかわいい女性の先輩も活躍しているから、努力次第の世界なんだと思います。私もカメラマンになるという夢が現実になったので、今後は視聴者の記憶に残る映像を撮れるよう、もっと成長していきたいですね。
現在はどのような仕事をされていますか?
ドラマや映画のCGを担当しています。担当したおもな作品は『VIVANT』(TBS系)、『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)、『Eye Love You』(TBS系)、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)などで、⼈物やロゴ、看板などを合成したり消したりしています。ほかにも空模様を変えたり、⾞の⾛⾏シーンの背景合成もしていますよ。合成カットは作品にもよりますが、一話につき少なくても10〜20カット、多いときは100カット以上合成することもあります。とにかく“CGだと思われたら負け”と思いながら頑張っています。
『ブラックペアン』のシーズン1は僕が⾼校⽣のころに放送していて、毎週⽋かさず⾒るぐらい好きなドラマでした。いち視聴者として続編が⾒たいなとずっと思っていましたが、まさか⾃分がその続編に関われるとは思ってもいませんでした!
会社に入って感動した仕事を教えてください。
入社1年目は、映像技術部中継担当に所属しVE(ビデオエンジニア)やCA(カメラアシスタント)として、世界陸上やゴルフ、プロ野球などのスポーツ中継や『SASUKE』(TBS系)、音楽フェスなどを担当。一番記憶に残っているのは、世界陸上オレゴン大会最終日の棒高跳びで、世界記録をライブで見たのは感動しましたね。
在学中はどんなことに興味がありましたか?
放送技術科は、カメラと編集のほかに、音声や照明など技術全般を学ぶ機会もあるので、どれも積極的にチャレンジしていました。実際に仕事をはじめて全て役に立っているなと思います。元々、いろいろな機材を触ったりすることに興味があって、在学中はカメラ1台1台の色味や明るさを整えて映像のクオリティをあげるVEとして、機材を選んでシステムを組むのが好きでした。2年生のときに山中湖でロケを経験する「ロケーション実習」で撮影した映像の編集担当だったのですが、とにかく楽しくて。そこからCGにハマっていきました。
映像技術に興味がある人にメッセージをお願いします。
技術や業界の知識は学べば身につくので、まずは社会に出る前に、趣味を増やしたり、視野を広げる努力をしてください。自分も温泉ソムリエや紅茶検定の資格を持っていますが、この世界は、趣味が活きる業界。何かに詳しいということが、強みになりますからね。将来の夢ですか?テーマパークが大好きなので、いつか光と音楽に包まれたパフォーマンスのプロジェクションマッピングに挑戦してみたいです!
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