数多くのライブ映像を手がける雨包さんですが、コロナ禍で仕事に変化は?
配信ライブが増えたことで、ライブ映像の持つ意味が大きく変化しました。これまではアーティストが観客に向けて行うパフォーマンスを記録することが僕らの仕事だったのに対し、配信ライブはまさに映像がすべて。責任の重さを痛感する一方、アーティストと一緒に撮り方を考えていく機会も増え、よりやりがいが大きくなりました。
配信ならではのこだわりは?
無観客の場合は、アーティストのカメラ目線など、従来はお客さんに配慮して撮れなかった表現も可能になります。彼らが自分自身に歌ってくれているような、主観的で体感温度の高い映像を届けたいですね。2020年に行われたONE OK ROCKのライブでは、ZOZOマリンスタジアム全体をステージとしてとらえた演出で、巨大なスケール感とアーティストとの近さを両立できたと感じています。
映像を将来の仕事に決めたキッカケは?
東放学園在学中に、興味のあるものをどんどん撮影させてもらった経験が、ひとつの入り口になっていることは間違いないです。放課後になると、学校からカメラを借りて、ライブハウスにバンドの撮影に行ってました。そんな音楽と映像に深く触れるさまざまな体験のなかで、将来の道としてMVにフォーカスが合っていったんだと思います。この世界をめざすなら行動あるのみ。頭で考える前に飛び込んで、好きなことに没頭してください!
現在の仕事を教えてください。
2023年からプロデューサーとして、資生堂「マキアージュ」、パナソニック「Panasonic Beauty」のCM制作に関わっています。プロデューサーはクライアントや広告会社から依頼を受け、CM制作全体を統括する仕事。さまざまな場面で提案や決断を求められる立場です。一つひとつの判断が映像のクオリティに直結していくので、大きな責任を感じながら仕事にあたっています。
CM制作の仕事のやりがい、面白さは?
企画から関わったCMが話題になったり、よい評価をもらえるとうれしいですし、制作時の苦労も達成感に変わります。資生堂「マキアージュ」は、プロダクションマネージャー(プロデューサーのアシスタントとして現場を仕切る制作部のスタッフ)時代から担当させてもらっているクライアントさんですが、私がターゲット層に近かったため、打ち合わせ中に商品に対する感想を求められる機会も多かったんです。自分の発言が映像に反映されることに興奮し、「もっともっと貢献したい!」という思いが強くなりました。そういう思いがクライアントさんやまわりにも伝わって、今の私があると思います。
映像制作に興味をもったきっかけは?
高校生のころ、自宅にあったパソコンで映像編集をはじめたことですね。兄から頼まれて卒業式用のフォトムービーをつくったら、それを見た人たちに喜んでもらえて…。映像制作ってやりがいを感じられる仕事なんだなと思いました。東放学園入学時は映像エディター志望でしたが、監督や撮影、照明、編集、制作の仕事をひととおり経験して、みんなをまとめる“制作部”の仕事が自分には合っていると気付くことができました。仲間と一緒にミュージックビデオなど映像作品を制作したことは一番の思い出です。
映像業界の仕事に興味がある方にメッセージを!
「映像が好き」という気持ちを大切にしてほしい。そして自分が興味のあることをどんどん広げておくのも大切だと思います。CMはさまざまなジャンルのクライアントの商品を扱うので、自分の好きなことや興味を広げていくと、仕事を“自分ごと”として取り組むことができて、楽しくなると思いますよ。
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