アニメプロデューサーをめざしたキッカケは?
幼少期からずっとアニメ好き。最初はアニメーターをめざし東放学園に入学しましたが、画力が伸びず悩んでいて…。そんなとき先生から「人をまとめるのがうまいからプロデューサーに向いている」といわれ、アニメ制作に関わるにはそういう道もあるのか、と志望を“制作進行”に切りかえたんです。
プロデューサーとはどんな仕事なのですか?
監督やキャラクターデザイン、背景美術など作品に関わるメインスタッフや制作会社の選定にはじまり、シナリオやコンテ内容の打ち合わせ、音響や映像編集の立ち合い、全体スケジュールの進行具合や予算の管理まで、作品全体に常に関わりながら、各部署やスタッフがスムーズに動けるよう力をつくす仕事です。
やりがいや難しさはどこにあるのでしょう?
たとえば現在担当している『銀河英雄伝説 Die Neue These』は、多くのスタッフが関わる大作です。制作スタッフの中にも田中芳樹先生の原作小説や30年前に制作されたアニメシリーズの熱いファンがたくさんいて、きっと、それぞれの方の『銀河英雄伝説』の解釈があると思います。多田俊介監督の解釈を重んじながらも、クリエイター個々人々の思いや得意分野をうまく組み合わせて1本のアニメをつくりあげる、その調整はものすごく大変ですが、カチッとハマったときには言葉にならない喜びがあります。
アニメ業界をめざす人にアドバイスを!
私は東放学園入学当初に思い描いていた夢からは、少し違う方向へ舵を切りましたが、アニメの仕事が今も大好きです。そう思えるのも、アニメーターの道につまずいたとき、「別の方法があるかも」と発想を切りかえたことで、アニメプロデューサーへの道が開けたから。東放学園は作画だけでなく幅広く学べる場所なので、自分の中にある新しい才能や可能性にオープンな気持ちで学べば、学生時代の想像を越えた形でアニメと関わる未来が開けるかもしれませんよ!
アニメ制作にはさまざまな役割がありますが、そのなかでもCGを選んだ理由は?
学生時代は、作画と撮影(動画や背景などの素材をひとつにまとめる作業)のどちらに進もうかと、ギリギリまで迷ったのですが、CGなら絵も動かせるし、カメラワークを担う撮影の作業にも関わることができます。アニメ制作のデジタル化が進むなかで、将来性も考えてCGを選択しました。
具体的にはどんな作業を?
アニメのCGには大きく分けてCGの原型をつくる“モデリング”とそれを動かす“CGアニメーター”の役割があり、私が担当しているのは後者。主要キャラクターからロボット、怪獣、乗り物まで、動かせるものは何でも動かします。
仕事で大切にしていることは?
動きばかりに目がいきがちですが、構図やキャラ同士の距離感、ポージングなども、絵作りに大きな影響を与えます。指先の形ひとつでも、印象が変わるので奥が深いですね。演出意図から外れない範囲で、自分のアイデアを提案していくことを常に心がけています。将来的には、CGディレクターができるくらいまで成長できたらいいなと思っています。
学生時代に努力していたことは?
映像編集加工ソフトのショートカットをとにかくたくさん覚えていました。おかげで入社当初から「作業が早い」と評価されましたし、より多くのカットに関わることができました。新人時代は自分がどれだけがんばれるかが大事。才能とかは考えずに“できるようになる”ことだけを考えて、努力を続けてみてください!
映像・アニメの仕事に興味をもったきっかけは?
高校卒業後は建築デザインの専門学校に進学し、一度は建築関係の仕事に就こうと思っていましたが、“自分が本当に興味のあることを仕事にしたい”と思うようになり、心機一転映像業界をめざすことに。そのころたまたまデパートで流れていた細田守監督の『デジモンアドベンチャー』を見て、その映像に引き込まれてしまった経験も大きなきっかけになりました。のちに『おおかみこどもの雨と雪』に撮影スタッフとして参加したときは、「細田守監督作品に参加する」という大きな夢がひとつ叶ってうれしかったです。
東放学園でどのような学生時代を過ごしましたか?
東放学園は、アニメだけでなく映像制作についてマルチに学べるところが魅力でした。在学中は、とにかく技術や知識を身につけることに貪欲だったと思います。「ここで学んだことを絶対に仕事に繋げるぞ」という強い思いで過ごした学生時代に身につけた“学ぶ姿勢”は、現在仕事をしていく上でも大きなプラスとなっています。
現在の仕事について教えてください。
東放学園卒業後は株式会社ボンズに入社。『NO.6』『棺姫のチャイカ』『赤髪の白雪姫』(撮影監督)、『機動戦士ガンダム00』(モニターグラフィックデザイン)など多くのアニメ作品に携わってきました。現在は2020年4月に設立されたばかりのツインエンジングループ会社・EOTAの撮影ユニットの長として、ショートアニメを主軸にテレビアニメやCM、MV、ゲーム内アニメーションなどを手掛けています。
この仕事のやりがいは?
より気持ちのよい表現を求めて、新しい技法を模索し続けることにも力を入れています。アニメ『NO.6』では、2Dで描かれた背景の木々をパーツごとに揺らして“風”を表現したことで、“テレビアニメで木をざわざわと揺らした最初の人”と言われています(笑)。 やりがいを感じるのは、手がけたものに対して業界の先輩方から「すごいね」と言ってもらえたとき。「このエフェクトなら福田に頼もう」と言っていただけるまでになり、自分に実力がついてきたんだと実感できてうれしいですね。
東放学園映画専門学校の学科一覧
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