映画制作科では、経済産業省が映像や芸術文化を通じて福島浜通りの復興を後押しする「福島浜通り映像・芸術文化プロジェクト」の一環として、福島県双葉町(ふたばまち)を舞台にした短編映画『おかえり』(監督:伊豆倉将宙 脚本:梶田慎悟)を制作しました。
双葉町は、東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故により、全町民が避難生活を余儀なくされている地域(2022年8月30日に帰宅困難区域の一部で避難指示が解除され、11年5か月ぶりに居住が再開された)。
8月21日(日)双葉町産業交流センターにて行われたイベントでは、完成した作品の上映会&トークセッションが行われ、監督の伊豆倉将宙さんと脚本を担当した梶田慎悟さんが登壇しました。
岩手県出身で自身も東日本大震災を経験している梶田さんは、
「シナリオハンティングで双葉町の様子を見て、被災当時から時間が止まっている印象を受けました。その反面、整備が整っているJR双葉駅周辺は真新しく綺麗ではあったのですが、親しみが感じられませんでした。“新しくなった町は果たして帰りたかった町なのか…”。10年ぶりに町に帰ってきた女性が新しくなった町を見て感じる“葛藤”を描きたいと思いました」とシナリオを書いたときの想いを語りました。
監督をつとめた伊豆倉さんは、
「この作品では、人物の感情を画にするうえであえて後ろ姿を切り取っています。登場人物が目の前の出来事や物を見て、何を感じ、何を思っているのかを観客に考えてもらいたかったからです。そこにはいろんな正解があると思います。登場人物と自身を重ねて観てもらえたら嬉しいです」と観客へのメッセージを送りました。
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短編映画『おかえり』(監督:伊豆倉将宙 脚本:梶田慎悟)
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上映会後に行われたトークセッションに参加した監督の伊豆倉将宙さん(左)と脚本の梶田慎悟さん(右)
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トークセッションの様子
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双葉北小学校でのシナリオハンティングの様子
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時間が止まったままの双葉北小学校の体育館
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JR双葉駅の新駅舎
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シナリオハンティングにご協力いただいたみなさん